電車が終点に着いたころ
あたりは既に夕闇に包まれはじめていました

こんな田舎で 面倒から全部逃れて
三人で暮らすのもいいと 少年は
夢のように思いました

しかし さしあたり考えなければいけないのは
今夜の宿です

『とりあえず歩いて、人の住んでる場所に出れば
 なんとかなるだろう』

そう思い 傍らに目をやると
少女の姿はありませんでした


すこし離れた場所に 少女はうずくまっていました

「何やってんだよ、行くぞ__ 」

声をかけたとき 少年は
少女の下半身を染める出血に気付きました

「おなか…いたいよ………」




山あいの道で 携帯の電波も届きません
少年は 少女をつれて
とにかく人家を目指しました

(くそ…俺は、どうして……)

厄介事はまっぴらだと思っていたのに
どうして 少女とお腹の子を
死なせたくないと願うのか
少年には 自分でも分かりませんでした

そんなとき 少女が 弱々しい声で言いました

「僕…ううん、わたしね…
 ずっとあなたのこと、好きだったんだよ」 








「…知ってるよ」
+マエ+ + モドル + ツギ+


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